のzのクラフトワークが好きな理由

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ええまた音楽の話です。

私の最も尊敬すべき人たちの中にクラフトワークっていう人たちがいます。

世界中の多くの人たちからリスペクトされているテクノの巨人ですよね?

でも何でそんなに偉大とされているのか

あまり語られていることが少ない様な気がします。

彼らが偉大とされている理由それは…

それまでの価値観をひっくり返したからです。

別にシンセサイザーやリズムボックスなどの

機械を音楽に取り入れたからではありません。

それだけでしたら

ウェンディー・カルロスやら

冨田勲

その他色々な人たちがいます。

もちろんその人たちも偉大ではありますが

それらの人たちとは別の意味で偉大なんです。

それは…

それまで否定的であった表現方法に光を与えたからです。

彼らの音楽を聴いたことがるならわかると思いますが

抑揚のない感情表現の少ない歌を歌いますよね。

つまり彼らはそれまで音楽において良しとされてきた

「喜び」とか「悲しみ」とか「怒り」といった感情を

表に出さずに極力抑えることを良しとする音楽を発明した人たちなんです。

それまでのクラシックやジャズやポップスやロックは

必ずと言っていいほど人間の感情の機微を

時には大袈裟に

また時には繊細に

表現することを良しとしてきた音楽です。

でもクラフトワークは違う。

人間の感情をなるべく表に出さない。

自動車だの鉄道だのロボットだのコンピューターといった

 人間の感情を極力排除することで成立する題材で

ポピュラリティーを獲得した

初めてのミュージシャンなんです。

シンセサイザーはその為の道具に過ぎない。

なんでそういうことをしたか?

彼らは完全なるオリジナリティーを追及したかったんです。

だけどただオリジナリティーを追及したのでは

現代音楽や前衛芸術のようになってしまう。

何にも影響されていない「ポップス」を作りたかったんです。

本人たちもなるべくブルースの影響から遠い音楽を作りたいと

何かのインタビューで読んだことがあります。

普通にポップスをやっていれば

黒人音楽の影響、特にブルースの影響はどうしても受けてしまう。

それからできるだけ離れる為にはどうしたらいいか?

それを追及したからできた

完全なるオリジナルなポップスなんです。

でも当時批判も多かった。

冷たいだの、人間的でないだの、機械のようだだの

そりゃそうですよ、わざとやってんですから。

中にはファシズムと結び付けて批判する人もいたような気がします。

でも彼らのおかげで「豊かな感情表現」ができない人たちにも

光が当たる様になったのです。

アジア人は白人や黒人に比べ

感情表現に乏しいと良く言われますが

クラフトワークの音楽だったら

逆に向いているとさえ言えるわけです。

ヒップホップの黒人ミュージシャン達が

クラフトワークを「クール」

と言ってリスペクトしたのは

そういったわけだったんです。

彼らはクールなポップスの創始者です。

そこが偉いんです。

私も大好きで尊敬しています。

ではではまたまた

のzのでした。