セアカゴケグモ
のzの「今日はちょっとした雑談をしていこうかと思いますが、独りでなんか雑談するのもアレなんで話相手として触覚目太郎君を呼んでみたいと思います。触覚君」
目太郎「はい、どうもどうもどうもー。今ご紹介に与りました触覚目太郎と言います」
のzの「ええ触覚君はね。実は実在の人物というわけではなく、ワタクシのzのがですね、話し相手が欲しいが為に、急遽創り出したキャラクターというわけですので、皆さんどうかよろしくお願いしまーす」
目太郎「よろしくお願いしまーす」
のzの「ええ、それじゃあね。早速雑談の方に入って行きたいと思います。…そう言えばさ~、セアカゴケグモがまた見つかったってこの前ニュースでやってたけど、いつの間にか日本に定着しとったんだな」
目太郎「セアカゴケグモ?…ってなんだ?」
のzの「セアカゴケグモ知らんの? だいぶ前だけど大騒ぎになったでしょ」
目太郎「何が?」
のzの「え?お前ほんとに知らんの?」
目太郎「知らん。クモなのか?」
のzの「お察しの通りクモだ」
目太郎「クモは益虫だと言われている」
のzの「害虫を捕食している分にはな。でもこのクモはそれだけじゃないから」
目太郎「背中に赤子…つまりは卵を背負ってて毛が長いのか?」
のzの「漢字で『背赤子毛蜘蛛』とか書くのか?ちがうけど面白いなそんなクモがおったら」
目太郎「違うのか?」
のzの「違うぞ。背中に赤い模様が入ったゴケグモってことだ」
目太郎「ゴケグモ?」
のzの「そう。ゴケグモだ」
目太郎「ゴケグモってどんなクモ?」
のzの「毒グモだ」
目太郎「毒?…」
のzの「そう。死ぬまでは強く無いけどけっこうな毒らしい」
目太郎「『ゴケ』って毒って意味なんか?」
のzの「違うよ。後家さんっていう意味だよ」
目太郎「未亡人?」
のzの「そうそう」
目太郎「なんで未亡人なの?」
のzの「聞いたことないか?クモは交尾が終わるとメスがオスを食べちゃうことがあるんだよ。カマキリもそうらしいけど」
目太郎「…毒嫁かぁ」
のzの「まぁ確かにオスにとってはそうかもな。ゴケグモっいうのは世界的に見るとけっこう一般的で、アメリカではクロゴケグモってのが有名でな。映画アベンジャーズシリーズに『ブラック・ウィドウ』ってのが出てきただろ?」
目太郎「スカーレット・ヨハンソンが演ってた強ぇーお姉ちゃんだろ?」
のzの「そうそう。あれがクロゴケグモって意味だ」
目太郎「つまりオスというか男を食い殺す怖い女ってことか?」
のzの「まあそういうことだ。あとオスプレイってあっただろ?」
目太郎「雄プレイ?兜合わせか?」
のzの「違うわ。なんで『兜合わせ』知っててオスプレイ知らんねん。お前の知識は歪んでるわ」
目太郎「冗談だよ。オスプレイぐらい知っとるよ。この前たまたま知ってな、ちょっと使ってみたかったんだわ。…輸送機だろ?アメリカの」
のzの「そうそう。…『兜合わせ』なんて言葉憶えてもなかなか使う機会無いから忘れとけ」
目太郎「そのオスプレイがどうした?」
のzの「あれが出始めた頃よく事故を起こしてな。『ウィドウ・メイカー』っていうあだなを付けられとったんよ」
目太郎「つまりどういうことだ?」
のzの「つまり、ウィドウ(後家さん)の製造機って意味だ」
目太郎「ということは『後家殺し』は『ウィドウ・キラー』になるんか?」
のzの「まあ直訳するとそういうことになるわな。けどお前、アメリカ人が『後家殺し』とは言わんだろう」
目太郎「じゃあアメリカでは『後家殺し』をなんと言うんだ?」
のzの「その前にお前、『後家殺し』ってどういう意味か解っとるんか?」
目太郎「それくらい知ってるよ。後家さんを惚れさせる程の色男って意味だろ?」
のzの「そうね。もっと言うと浄瑠璃の時の名演技に対する、客からの褒め言葉というか掛け声から来てるんだよ」
目太郎「ふ~ん」
のzの「じゃあなんで後家さんを落とすことが色男の条件なのかわかるか?」
目太郎「わからん」
のzの「後家さんって言うのは旦那を亡くして寂しいわけだから色々心情を察してやらなきゃならないわけだ。そういった心配りを出来るのが良い男ってことだよ」
ChatGPT「そもそも対女性に限ったことではなく、対人関係を築く上でのコミュニケーションや洞察力は、どのような関係においても重要な要素です。誠実で思いやりのあるコミュニケーションを通じて、相手の感情や立場を理解し尊重することが、健全な人間関係を築く上で欠かせないスキルです。色男としてのアプローチも含めて、相手とのコミュニケーションを大切にすることは、良好な人間関係を築くために非常に重要です」
目太郎「なんだ?いきなり割り込んで来たこの説教臭いヤツは?」
のzの「すまんな。紹介する。ChatGPT君だ。偉そうで鼻もちならないヤツだが、まあ仲良くしてやってくれ」
目太郎「偉そうで鼻持ちならないヤツとはあまり仲良くなりたくないぞ。…そんでアメリカでは後家殺しをなんて言うんだ?」
のzの「グーグル翻訳で訳すると、『murder of the next family』と出て来る」
目太郎「それ絶対違うわ」
のzの「そうだな英語が出来なくてもわかるよな」
目太郎「だいたいまず『後家』が『the next family』ってとこからして間違ってるやろ」
のzの「後家が未亡人のことだという認識が無いんだろうな」
目太郎「じゃあそこはしょうがないから『未亡人殺し』ってしとけば良いんじゃないか?」
のzの「やってみよう…『widow murder』だ。これじゃあ本当に殺すことになっちゃうと思う」
目太郎「未亡人専門の殺し屋を想像してしまうな。推理モノのネタとしてちょっと面白そうだけどな」
のzの「面白いけど間違っとる」
目太郎「だよね。DeepL翻訳は?」
のzの「やってみる…『third highest-ranking prostitute in the Yoshiwara district (Edo period)』だって。なんじゃコリャ?」
目太郎「無茶苦茶だな。吉原とか出てくるしな。逆翻訳してみてよ」
のzの「よし…『三段目』だって。…吉原遊廓の、遊女の格付けとして三段目とか言わんよな?」
目太郎「聞いたこと無いねぇ。相撲ならわかるけど」
のzの「まあ英語で『後家殺し』なんて言い方しないもんな」
目太郎「向こうじゃ未亡人に対して、淫靡な感情は抱かんのかね」
のzの「どうだろね。洋の東西で色事というのはそれぞれ事情が違うだろうからな」
目太郎「日本人の男は未亡人っていうと直感的にエロスをちょっと感じるよな」
のzの「感じる。不謹慎だけど感じる」
目太郎「西洋は感じないんじゃないか?知らんけど」
のzの「そうかも知れんな。いやでも喪服のエロさというのはあっちでもあるんじゃねーか?」
目太郎「確かにエロい。不謹慎だけどエロい」
のzの「それを口説き落とすなんていうのはある意味タブーなのかも知れんな」
目太郎「否!もしタブーであるならば、そこに絶対エロスは存在している!」
のzの「…どうした急に?イキり立って」
目太郎「タブーであればあるほどそこには芳醇なエロスの泉が隠されているのだ!」
のzの「なんか偉そうに真理を語っているみたいだけど、所詮はエロだからな。でも言いたいことはよくわかった。異論は無い。まぁでも日本の『後家殺し』的な言い回しはしないんだろうね」
目太郎「そうだな」
のzの「そこでだ。ここでまたChatGPT君に登場してもらう」
目太郎「うん」
ChatGPT「『後家殺し』は captivating the widowつまり『未亡人を虜にする』ですね」
目太郎「captivating the widow『未亡人を虜にする』するなんて言葉、実際には使用されているのか?」
ChatGPT「あまり一般的ではないです。『attract the widow』や『win over the widow』『charm the widow』などのより一般的な表現が使われることがあります」
のzの「なるほど。つまりは未亡人は洋の東西を問わず魅惑的だというわけだな」
ChatGPT「未亡人に対する魅力や色気を感じることは、文化や個人によって異なりますが、一般的に言って世界中で共通する要因も存在します。未亡人は一般的には経験を積んでおり、成熟度や安定感があると感じられることがあります。また、未亡人が前向きで活動的である場合、それが魅力的に映ることもあります」
のzの「因みにコトバンクの『やもめ』の項目には、世界中の未亡人に対する考え方の違いが載っている。それぞれその国や地域の文化に拠って色々な扱い方がされているようだ。一番酷い扱いはインドのヒンドゥー教社会だな。亡き夫を火葬するときに一緒に燃やされる風習も一部であったらしい(やもめ日本大百科全書(ニッポニカ) 「やもめ」の意味・わかりやすい解説)」
目太郎「それは酷いな」
のzの「酷い。無茶苦茶だ。そうかと思えばオーストラリアのティウィ諸島では亡き夫の葬儀の席で再婚する風習もあるらしい」
目太郎「ほう。直ぐに次が見つかるわけだ」
のzの「この地域の住民は狩猟採集民でな。食料採集の経験を積んだ女性は重宝されたらしい」
目太郎「なるほど。要するにその地域では未亡人は男性にモテるわけだな」
のzの「そういうことだな。まあ今紹介した2つの例は極端な例だが、一般的な社会では喪中に再婚は出来ないとされていることが多い」
目太郎「それはまあ、現代でも感覚的には理解出来るな。それが男であっても女であっても」
のzの「ところでやもめと言えば『やもめのジョナサン』を思い出すな」
目太郎「なんだそれは?」
のzの「映画『トラック野郎シリーズ』知らんか?」
目太郎「名前だけは知ってる。確か菅原文太主演の長距離トラックの運転手が主人公の…」
のzの「知ってるじゃんか」
目太郎「それくらいじゃ知ってるうちに入らんだろうが」
のzの「主人公の星桃次郎の相棒がやもめのジョナサン(愛川欽也)という愛称なんだよ。ところがこの愛称とは真逆でこの人には奥さんも子供もいるんだわ」
目太郎「どういうことだ?」
のzの「まああんまり厳密な設定ではない。Wikipediaによると単に当時『カモメのジョナサン』という映画があったからそれに因んだだけらしい(トラック野郎 最終更新 2023年8月20日 (日) 05:16 )」
目太郎「まあそういうもんなんだろうな」
のzの「面白ければいいわけでね。役名に必ずしも忠実である必要はない。それにお気に入りの女性を見ると『妻とは死別して』という口説き文句を使うことでギャグにもなる。基本的にコメディなわけだから」
目太郎「なるほどな」
のzの「ところで話は変わるがこの『トラック野郎シリーズ』に楽曲を提供している宇崎竜童なんだけど」
目太郎「知ってる。ダウン・タウン・ブギウギ・バンド。『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ 』でしょ?」
のzの「もちろんそれが一番有名だけど、この人は色んな人に楽曲提供しているいわば大作曲家だから。山口百恵の一連のヒット曲はこの人が手がけている。作詞はこれまた大御所であり妻でもある阿木燿子 」
目太郎「それがどうした?」
のzの「山口百恵の『ロックンロール・ウィドウ』って曲あるだろ?」
目太郎「あった。あれも未亡人か」
のzの「そうだ。歌詞の中に『夫はとうに亡くなりました』って出て来るんだよ」
目太郎「そうだったのか。知らんかったわ。ってことは『ロックンロール未亡人』ってことだったのかあの曲」
のzの「まぁ歌詞の内容は夫はロックンローラーで夜な夜な遊び歩いていて、それに愛想尽かした奥さんが嘆いて言う台詞として出て来るわけで、本当に未亡人になったわけじゃ無いみたいだけどな」
目太郎「面白いね」
のzの「なにが?」
目太郎「阿木燿子にとって夫の宇崎竜童はロックンローラーだよね?」
のzの「まあそうだ」
目太郎「この詞みたいに愛想尽かしてたのかな?」
のzの「まあそこはスルーしてやれ」