のzの…初代ゴジラ映画はどこが反核なのか

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ええ映画『シンゴジラ』が

DVDレンタルまたは販売されますね。

それを記念して

初代ゴジラはどの部分が反核なのか問題なんですが…

初代ゴジラっつーのは1954年に上映されたゴジラシリーズ第1作のことです。

時代背景としてアメリカの水爆実験や第五福竜丸事件などがあり

水爆実験で目覚めた怪獣が人間社会を脅かすという部分が

保有国が行う核実験に批判的なメッセージとなっている。

これがまあ

世間一般の評価です。

もちろん間違っていません。

しかしこのゴジラ第一作の反核のメッセージは

もっと別の部分で

もっと辛辣な形で表明しているのです。

そのことを指摘している評論を

私はまだあまり読んだことがありません。

第一作目ゴジラををご覧になった方ならわかると思いますが

ゴジラを倒す超兵器が出てきますね。

そうオキシジェン・デストロイヤーです。

オキシジェン・デストロイヤーとは読んで字のごとく

水中の酸素を破壊することで

そこにいる全ての生物を死に至らしめる兵器です。

これを開発した芹沢博士は

これをゴジラを倒す為に使っていいものかどうか迷います。

使えばゴジラを倒せるだろう。

しかしもしこれを使えば

世界各国がこの装置を軍事利用しようとするだろう。

自分の作った兵器で罪の無い人々が大量死するかもしれない。

そんなものを世の中に出して果たしていいものか?

芹沢博士は葛藤します。

最終的に芹沢博士はゴジラが破壊した町の惨状を見て

遂に使うことを決心します。

ただしその設計図は全て燃やし

さらには「自分の頭の中にまだ残っている」として

自分もゴジラと一緒にオキシジェン・デストロイヤーで

自死します。

そこまで徹底して超兵器をこの世から抹殺する姿を観て

核兵器開発者達はどう思うでしょうか?

「これが科学者として正しい姿なんだよ。君達核兵器開発者達は人類を地獄へ落としかねない兵器を作っておきながらのうのうと生きながらえている。科学者失格だ!」

という強烈で辛辣なメッセージを送っているとしか

私には思えません。

例えば原爆の父として知られるロバート・オッペンハイマー

果たしてどう思ったのでしょうか?

後半生は原爆を作ったことを後悔していたといいます。

後に反核のメッセージを発したため、

赤狩りにまで合ってしまったそうです。

かのアインシュタイン

核兵器開発へ着手するために署名したことを

後悔したといいます。

彼らは日本を負かすために

まあつまりはあの当時の世界平和のために

核兵器を作り苦悩したわけです。

ゴジラを倒す為に

オキシジェン・デストロイヤーを使うかどうか苦悩した芹沢博士と被りますね。

ただし芹沢博士はゴジラを倒す為にオキシジェン・デストロイヤーを作ったのではありません。偶然出来てしまったものです。念の為。

ここまで強烈で辛辣な反核のメッセージを送っている映画を

私は知りません。

いわば製造者責任を問うているわけですから。

核兵器開発に携わった人がこの映画を観たら

きっと針のむしろに座っている気分でしょう。

以上のzのでした。

ではではまたまた。