トライバルタトゥー
ええここずーーーーっとブログをさぼり続けて来てですね。なんだか描きたい物が溜まっていてですね。いつか再開しようと思い続けていたらいつの間にか年も変わってましたね。ええ。
あと2ヵ月くらいしたら元号も変わるんですよね。
思えば私が22歳の時にですね、昭和から平成に変わったわけでね。そうやって考えてみるとですね、私は「昭和の人間」だとばかり思ってましたが、昭和を生きていたのは22年間なわけでね、その後30年間平成を生きて来たわけだから、最早「平成の人間」だよね。昭和のことばっかり思い出したり語ったりすることが多いですけど、いつの間にか平成でいる時間の方が長いんだよね。
平成はね、そりゃあもう色んなことがあったからね。
いやもちろん昭和も色々あったよ?戦争とかさ、学生運動とかさ。でも俺生まれてなかったし、生まれてても小さかったしで、実体験としての影響は全然ないからね。後から話として両親から聞いてるだけでね。どちらかというと子供の頃の楽しい思い出の方が多い。
実体験としてはそりゃやっぱり平成の方が強烈に記憶として残っているわけでね。阪神大震災とオウムと911テロと東北大震災と原発事故は外せないよね。こうやって並べてみると30年って年月は長いよね。こんな凄い事件・事故・災害がいくつも起こっているわけだからね。
まあそんなことが別に語りたいわけではなくてね。
Youtubeでとても興味深い映像を見つけたので貼って置きます。
これねー、クラフトワークの『ヨーロッパ特急』とデビッド・ボウイの『ヒーローズ』を繋げてオーケストラでカバーしているんだけど、聴いてて久々にゾクッと来たよ。
まずね、この2曲を繋げるっていうアイディアが素晴らしいよね。
この2曲のオリジナルが発表されたのは1977年。
デビッド・ボウイはいわゆるベルリン時代です。ジギースターダスト、フィリーソウル時代が終わってベルリンに住んで音楽活動を続けていました。
クラフトワークは『アウトバーン(1974)』が世界的にヒットして注目され、世界中のミュージシャンに影響を与えました。その後の『放射能(1975)』に続く6作目が『ヨーロッパ特急』です。
車、放射能、鉄道…っていうモチーフがいかにもクラフトワークだなって皆さん思っているでしょうけれど、私には『ヨーロッパ特急』は鉄道だけではない、もう一つのモチーフがあるんじゃないかと考えています。
それはヨーロッパ統一です。
当時はまだ東西冷戦の時代。ベルリンの壁に象徴される様に、ヨーロッパはまだ分断されていました。構想としてはあったものの、まだまだEUになるのは先です。
実際のところヨーロッパ特急は国際列車とはいえ西ヨーロッパの国々だけを繋げて走ります。だからそれでヨーロッパ統一は大袈裟じゃね?と言われればそれまでなんですが、私にはヨーロッパを縦横無尽に走る鉄道のイメージがどうしても付き纏うのです。
それに同じアルバムの1曲目に入っている『Europe Endless』という曲はヨーロッパが拡大するイメージがあります。
前述した様にこの時からEUの構想自体はあったわけですけれども、クラフトワークは未来を先取りしてそのことをイメージしていたんではないかと思っております。
デビッド・ボウイの話に戻りますが、実は『ヒーローズ』も東西冷戦をモチーフにして歌っていると言われています(歌詞に出て来る男女は壁の傍で逢引するカップルのことだという説がある)。だいたいそもそもが東西冷戦下の真っただ中である西ベルリンで録音しているんですから、それを意識しないわけがありません。録音スタジオから分断を象徴する壁が見えたと言うのは有名なエピソードですしね。
それに1987年に西ベルリンのライブで壁の傍で『ヒーローズ』を歌い、東側へもスピーカーを向けたことで東側の住民が勇気づけられ、ベルリンの壁崩壊に繋がったという感動的な逸話まである。
更に指摘するなら、まぁこれはファンの間では有名な話ですが、クラフトワークの『ヨーロッパ特急』の歌詞の中には「イギーポップとデビッドボウイに会える」という歌詞まであるのだ(イギーポップはデビッドボウイの盟友で、当時ベルリンで一緒に活動していた)。
この2曲は一見全然関係無さそうで実はとても繋がりが深い。だからこの2曲を繋げたことを発想した人は素晴らしい。実に良く理解している人でした。マグヌス・カールションというスウェーデンの歌手が中心になってやっているみたいですね。80年代はa-haみたいなニューロマンティック系のポップスをやってたみたいですね。明らかにデビッド・ボウイチルドレンといえるでしょう。
とにかくとても感動するからぜひ観ていただきたい。
『ヨーロッパ特急』のドップラー効果を模したストリングスは、オリジナルではもちろんシンセで演ってます。いやぁカッコいいですね。オーケストラでこれを演ると迫力がある。
そして『ヒーローズ』に切り替わるところが実に良い。感動的で涙出そうになります。
あっ考えてみればベルリンの壁崩壊が1989年だから、丁度平成元年じゃないか!
…ということで上手く話が繋がりましたね。
ちなみに今回のブログのタイトルは今回アップした絵の題ってだけで、今回のブログの内容とは一致しておりません。
それではまた。