のzの…今日のプレゼン

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次世代ビークルショーの特設会場にて

バイオ工学企業ゾイドスコープ社のCEO真壁刀義によるプレゼンが始まった。

「これからは4足歩行の時代。早く走ることが良いことではない。力強く大地を踏みしめる。そんな新しいライフスタイルを提案したい」

そう言って次世代ビークルにと紹介したのは

ハダカデバネズミを遺伝子操作により乗用として特化させた

ライノ・レックス02だ。

「無機質な鉄の塊から我々を解放し、温もりのあるライフスタイルを提供したい」

と、この異様な乗り物というか生き物をバックに得意満面の笑みを浮かべる。

しかしまるで中世の様に生き物を移動手段にするとは…

会場に詰め掛けたプレス客達を唖然とさせた。

どれくらいの速度で走るのですか?との問いに

「本気を出せばF1マシンを軽く超えるが

乗り心地は各段に落ちる為、普段はせいぜい20キロが限度だ」

走るとき揺れませんか?との問いに

「かなり揺れますが慣れます。なんせ生き物なんですから温かいです」

と温かいと揺れに対してどう効果があるのかは全く触れられない。

 食べ物は何を食べますか?との問いに

「遺伝子操作により口からは食べず点滴を用います。ただやはり生き物なので時々何かを食べてしまうかも知れません。私の乗っているライノも時々口をモグモグと動かしている。何を食べているのかは知らないけど」

とちょっと肩をすくめておどけて見せる。会場からは笑いが起きた。

 「なぜ02なんですか?01は?」

という本誌記者の質問に

「不幸な事故があった…今は語りたくない」

とちょっと顔を曇らせ俯いて語る真壁CEO

操作は手綱の様な手すりで行きたい方向に傾けてやればいいだけだ。ブレーキは足で1回蹴るだけで止まる。2回蹴ると動き出すらしい。スピードを上げるときは何回も蹴る。

問題は排泄だ。または排気もあるかもしれない。

「もちろんあるよ!生き物だよ!?何だと思ってるんだ!」

と何故か切れ気味に語り具体的に説明はない。

色々と訊きたいことはまだまだあったがプレゼンは終わってしまった。

噂によるとゾイドスコープ社の次の戦略は『次世代介護機器』だそうだ。